入居者がいて初めて利益が出るのがアパート経営。退去者が出たときに速やかに次の入居者を見つけられなければ収益率は悪化していきます。不動産管理会社に業務委託することが一般的ですがその管理会社、はたしてパフォーマンスは十分でしょうか?
今回は不動産会社が示す“入居率”の表示方法に実は違いがあることについてご説明していきたいと思います。
入居率の計算方法は3つ
1.時点ベースは“空室戸数÷全戸数”
計測時点の全戸数のうち空室戸数の割合です。
2.稼働ベースは“(解約戸数×平均空室日数)÷(全戸数×365日)”
1年のうち、空室で家賃が入らなかった日数の割合です。解約が少ないことや空室期間が短いことで稼働率が上がります。
3.賃料ベースは“(想定した賃料収入-実際に入金した賃料収入)÷想定した賃料収入”
想定した賃料収入と実際の賃料収入の差が想定した賃料収入に対してどうであるかの割合です。
管理会社ごとに違う入居率
入居率計算方法は上記に示した通りですが、常に状況が動いているアパートにおいてどのタイミングで計測しているのでしょうか?
これは法的な決まりはなく管理会社によって異なります。退去後原状回復が完了し募集開始としてからが空室であるとする管理会社もあれば過去1年間で一番良かった入居率を書く場合、退去後1か月以降を空室とする場合など不動産会社によって定期がバラバラである現状です。全国平均に対して、自社管理の入居率は○○%高い!などとうたっている場合もその全国平均を計算した団体がどのような定義で計測しているのかわからない場合、あまり参考ならないかもしれません。
アパート経営に詳しくなければうまいことデータを見せかけることで他社よりも良い数値に見せかけているだけの管理業者に任せてしまう場合もあるため、大切な資産を本当に任せてよいものか管理会社を見極めるスキルもアパート経営には必要です。
東京の入居率は低くない
入居率98.47%(空室率1.53%)と聞いてどう感じるでしょうか?これは2020年6月に“第8回 全国賃貸住宅実態調査”として発表された東京都の単身者向け物件の入居率です。全国で見ると空室率が一番低い(同率空室率1.35%は広島県)東京都は地方からの流入に支えられていることから地方よりも遥かに物件数が多いにかかわらず全国に比べて高い入居率を維持していると考えられます。これは“東京都住民基本台帳人口移動報告平成30年”から東京都への転入者、転出者を比較してみると平成9年~30年で転入者が転出者を上回っていることからも確認できます。
但しコロナ禍の影響で総務省発表の“7月の人口移動報告”によると東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)から他の道府県への転出が転入を1459人上回ったことも発表されています。長年にわたる東京一極集中の構図が崩れるか否か、今後要注目しなくてはなりません。
全国賃貸住宅実態調査 報告書
出展:「特定非営利活動法人IREM JAPAN」「公益財団法人日本賃貸住宅管理協会」「株式会社 LIFULL」
管理会社の良しあしを見極めるポイント
今までのご説明から全国平均○○%と比べて入居率は○○%~といった訴求自体は管理会社選びにそこまで重大なファクターではないことがわかります。調査方法次第で良く見せることができるからです。アパート経営をするうえで大切なことは空室率を下げること。キャンパスに近くて学生が多く、毎年確実に満室にできる物件は平均居住期間が短くても魅力的ですし、閑静な住宅街で十年以上住み続けている入居者が多い物件も回転率が低いですが同じく魅力的な物件です。
最初に物件を選ぶときに空室が出にくい魅力的な物件を選ぶこと、売りっぱなしではなく物件購入後も運営サポートしてくれることは重要なポイントではないでしょうか。
入居率に惑わされない事、空室になりにくい物件を選ぶこと、販売だけではなく管理にも強い会社を選ぶことがベストであると考えられます。
まとめ
満室経営をするために大切なことは…
- 管理会社の入居率に惑わされない。元々東京の入居率は地方より高い
- 販売後も管理を委託できる不動産会社を選ぶ
- 空室になりにくい良い物件を選ぶ
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