不動産投資をしている場合、物件の管理を管理会社にまかせきりという場合多いのではないでしょうか。一口に不動産管理会社にといってもその実力は様々です。対応の良くない業者と契約してしまうと精神的肉体的負担が生じるだけでなく、入居者の募集ができずに管理業者自体がリスクとなりかねません。不動産投資は経営であるということを忘れずに、投資家自身の目線で管理会社選びをしていただきたいと思います。今回は管理会社選びの際におけるリスク管理について知っておきましょう。
目次
不動産管理会社とは
そもそも不動産管理会社とはどのようなものでしょうか。投資家と入居者の間に入り、住居環境の保全管理を行うことで投資家の不動産管理業務の負担を減らすのがその仕事です。つまり投資家自身が行わなくてはいけない物件管理業務を代行するサービスといえます。その内訳は賃料の徴収、契約更新、清掃設備の点検など保全管理、入居者のクレーム対応から退去時の対応、新規入居者募集まで幅広く対応しています。
安定した賃貸管理会社を見極める大きく3つのポイント
不動産業者選びに失敗すれば、それがそのまま入居率の低下に反映されます。そのため良い業者と契約できればそれだけ不動産投資が成功できる可能性も高まります。そして安定した賃貸管理会社には3つの要素があります。
1.管理戸数はどのくらい?
目安として10,000戸を基準とし、高い入居率でも管理個数が少ない業者は避けましょう。入居率のみにとらわれていると、管理戸数が少ないための高い入居率である場合も少なくありません。管理戸数が多いということは、その業者の実力が広く認められている証拠でもあります。
2.実績はある?
設立数年でも実力のある会社もありますが、歴戦のベテランたちが集まって立ち上げたような場合ですから多くはありません。実績を確認する目安として10年以上続けているような業者なら、あらゆるトラブルを経験してリスク管理の実力を付けている会社である可能性が高いです。また、自信がある会社は自社サイトにて入居率を提示しています。さらに入居率といってもどの基準で算出しているかも重要です。ピーク時のみのデータでは参考にはなりません。業者によっても算定基準は異なるため、詳しく知りたい場合は直接問い合わせてデータを見せてもらうのが一番です。
3.賃貸住宅管理業登録制度へ登録している?
賃貸住宅の管理業務の適正化を図るため国土交通省の訓示によって平成23年に施行されたもので、
賃貸住宅管理業務に関して一定のルールを設けることで、借主と貸主の利益保護を図り、登録事業者を公表することにより管理業者や物件選択の判断材料とできるものです。住宅やマンションをモチーフとしたシンボルマークを目印にすると良いでしょう。
業務内容・管理内容の入念な確認、客付け能力の高さをチェックしよう
それは業務内容、管理内容の確認、客付け能力の高さです。業者にも入居者のみの斡旋だけをする業者もあれば、日々の管理から募集業務まで一貫して対応してくれる業者もあります。
1つに搾れば一貫して依頼できるメリットがありますが、複数にまたがるとそれぞれの業務体制が異なり連携が取りにくいデメリットが出てくることがあります。もし一括借り上げを選択するなら、数十年という長いスパンで依頼することになるため、管理内容まで詳しくチェックしておきましょう。
客付け能力は、近年インターネット募集が主流となりつつあるため、自分でその企業のサイトを見てみて、使いやすさや募集の見せ方などを見ておくと安心です。中には直接お店に出向く人もいるため、何度か依頼し様子を見る方法もあります。地域密着型の不動産業者では、地域のマンションやアパートを熟知していることも多く、地元の人をターゲットにした物件ならそのような業者を利用するのも1つの方法です。
また、以下のデータから不動産会社を選ぶ入居者の目線を読み取ると、物件情報の充実度が非常に重要だといえます。そのため管理物件を多数抱えている管理会社ほど客付けに有利であるといえます。
- インターネットの不動産検索サイトに多くの写真を掲載しているか?
- 物件数を沢山載せているか?
- 地元で知名度のある会社である
- 店舗がアクセスしやすい場所にあるか?
- その物件の欠点も書かれている
- 写真の見栄えが良い
- 全国展開している会社である
出典:sumoジャーナル 「賃貸、購入で契約した人が不動産会社を選ぶときに重視したポイントは?」
せっかく任せた管理会社がリスクに…不動産業者選びは慎重に
不動産投資する上でリスクとなりえるのは入居者の状況のみとは限りません。投資家への対応が悪い会社は実力もいまひとつ・・・という場合が多く、募集をかけても入居者自体が集まらないこともあるため業者選びは慎重になる必要があります。
空室が出ていても改善策の提案がない、家賃を下げる以外の提案がない、原状回復工事が雑、などが主な要因です。
選んだ業者の対応が悪ければ入居率にも影響が起こり、家賃収入が途絶えることにもなりかねないのです。管理や募集は不動産投資の大事なファクターであり、多くの場合不動産管理業者に業務を委託しています。その場合、どこの企業に依頼するのか、どの作業を任せるかはオーナーによって異なります。アパートを運営していく中で様々な作業がありますが、入居者の斡旋や家賃回収、契約更新や退室の手続き、トラブル解消、建物のメンテナンスの作業など、どこまでオーナーが管理し、どこまで業者に依頼するかを決めなければなりません。
関連記事:不動産投資を一任している管理会社を変更したい場合の変更手続きの流れ、注意点について
賃貸管理会社が倒産することはある?
不動産投資をする方多くの場合、管理会社に依頼する場合が多いですが管理会社といっても業務内容は様々で、家賃回収を任せている場合に注意したいことがあります。それは賃貸管理会社が倒産してしまった場合の対処方法です。最悪の場合家賃回収ができないリスクもありますから、業者に管理の一部を任せている方は倒産も事前に考慮しておく必要があります。
一般的に家賃管理会社が倒産しにくいといわれるのは、管理手数料の収入が安定しているからです。管理をお願いするオーナーさえいれば毎月一定の収入は発生し、景気には左右されません。また、大規模な投資費用も不要なため、資金繰りで困るケースも少なくなっています。ですが絶対にないとはいえないもので、あるオーナーの話ではなかなか家賃が振り込まれないことを不審に思い電話連絡したところ、資金繰りに困り倒産するしかないというケースがありました。
また、管理業務だけならオーナーから預かった家賃に手を出す必要もありませんが、不動産開発に手を出して思ったより販売が進まず、資金が上手く回らないなどの理由もよくあるパターンです。親会社が不動産販売会社だったため、賃貸管理会社にまで影響が及び、子会社を巻き込んで倒産してしまうケースもありました。
しかしたいていの場合倒産する理由の多くは本業に問題があるのではなく、別の事業に参入したことで赤字が膨らみ本業を巻き込んで倒産してしまうことが一番多いと思われます。
賃貸管理会社が倒産した場合の対処法
倒産の兆候をいち早く判断するには家賃の支払いが滞ることがないかチェックしましょう。毎月決められた日に振り込みがないなど本来ありえないことです。本業以外の事業に手を出している場合も注意が必要です。賃貸管理以外の費用が回らなくなれば、銀行からの借り入れ返済に家賃が使われてしまいます。経営が上手くいっていれば支払いが遅れるようなことはまずありません。
もし倒産の兆候が見られるようなら、直ぐに行動を起こしましょう。まずやることは管理委託の契約を解除することです。その旨を記載した内容証明郵便を送付しておきます。口頭のやり取りだけでは後で何とでもいわれてしまいますから、公的な証明として残せる書類を準備します。そして入居者情報を元に入居者に連絡し、家賃の振込先を変更します。新しい家賃管理業者に依頼するならその情報を伝えておき、まだ決まっていなければオーナーの口座に振り込んでもらえば良いでしょう。しかし、普段から業者に管理を任せていると入居者は誰がオーナーだかわからず、その証明をしなければなりません。賃貸借契約書や登記簿謄本も合わせて用意しておくと、振込先手続きがスムーズになります。
倒産しにくい管理会社選びには幾つかのポイントがあります。資本金が高い、長く経営している、事業の規模が大きく従業員の人数が多いなどの条件です。ほかにも賃貸管理としての実績がある会社を選ぶようにしましょう。今まで管理した物件の数、現在取引があるオーナーの数、どのような物件を管理しているかなどの実績内容で比較できます。自信がある会社は具体的な数を提示していますから、その面を参考にする方法があります。
どんなに大きな会社であろうと、実績を持つ管理会社だろうと、倒産するときは倒産します。新たな事業に手を出していないかも調べた上で、信頼できる業者に依頼しましょう。慎重に調査しても倒産リスクはゼロではありませんから、事前に対処方法を用意しておき不動産投資を進めるようにしてみてください。投資家にとって家賃収入が入らなければ、即収入が無くなります。収入が得られなければローンの返済や、税金などの支払いも滞ることになりかねないため、管理会社選びは万全の対策を準備しておくようにしましょう。
まとめ
- 安定した賃貸管理会社を見極めるポイントは管理戸数、実績、 賃貸住宅管理業登録制度へ登録しているか
- 管理会社をさらに見極めるためには、業務内容、管理内容の確認、客付け能力の高さもチェック
- 家賃が滞る場合は倒産の危険な兆候
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