不動産投資をするうえで必ず考えなくてはいけないのが空室問題です。そんなとき空室にしておくくらいなら家賃を下げても入居させたい、そんな気持ちになる投資家も多いのではないでしょうか。不動産は経年劣化により、物件の魅力が低下することで入居者が離れてしまうリスクがあります。家賃を維持するには設備投資にも費用がかかりますが、なるべく経費を抑えつつ値下げを防ぐ方法はないのでしょうか。
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不動産投資で家賃が下落する流れ
新築物件を購入しても経年劣化により家賃は下落します。ずっとそのまま、というわけにはいかないと考えてください。下落の幅ですが平均で年間1%程度の下落、建物の築年数により下落率は変化していきます。新築~10年までは1番下落率が高くなり、その理由は他の新築物件と競合になりやすいためです。11年~20年まではまだ築浅物件といえますが11年を過ぎると家賃の下落率は低くなります。築25年以上経過すると下落率はさらに緩やかになります。なぜなら地域の最低基準まで下落していることが多いため、それ以上下げる必要はないからです。
また、一見良さそうな要因があったとしても家賃値下げを検討しなくてはならない場合もあります。近くに大型商業施設ができるとその周辺が発展しますが、入居者を集めやすくなる代わりに賃貸物件の数も増えるため、競合した結果1軒当たりの価格が下がることもあります。またネガティブな要因としては駅から10分以上かかる物件、ターミナル駅へのアクセスが悪い地域、近くにスーパーなど生活に必要な商業施設がない地域も下落しやすくなります。特に地方では値下げ合戦が顕著なのでその地域に特別詳しくない場合は避けた方がよいでしょう。
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1度家賃を下げたら上げにくい。売却まで考えたとき、家賃値下げはなるべく避けたい
都心部以上に地方の不動産を所有する場合には、特に注意が必要になります。都心部ではまだまだ1Kでも10万円近い相場の家賃も存在しているのですが、地方では3万円を切る物件も出てきています。需要と供給のバランスが崩れているため家賃値下げ合戦に陥る地域も少なくありません。また注目したいのが家賃の値下げはその下落率が売却金額にも反映されてしまう点です。例えば元の家賃が2万円だった場合、2千円値引きすれば10%の下落率となります。その割合は売却するときにも反映されやすいので、家賃値下げは物件自体の価値も下げてしまいかねません。
家賃は1度下げるとなかなか上げることは難しいこと、地方によってはそもそも人がいないため家賃を下げたところで需要がない地域もあります。物件を選ぶときには値下げリスクも考えておきましょう。ではそもそも下落しにくい物件を選ぶにはどうしたらよいのでしょうか?
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家賃が下落しにくい物件は?
家賃が下落しにくい物件は利便性が良く、競合物件と差別しやすく、きちんと管理されている物件です。
ターミナル駅から徒歩10分と交通の便が良ければ、仕事や学校への通勤を考えている人が集まります。近年では若者だけが駅から近い物件を求めているのではなく、高齢者も病院や買い物などの利便性が良い都心部に住みたいと考えている人が増えています。高齢者でも1人暮らしの人は増加しているため、暮らしに欠かせないサービスが近くにある方が住みやすいと感じるようです。
利便性の良い地域だけでなく、間取りが人気のタイプだと他の物件と競合になりにくくなります。シンプルで使いやすく誰にでも当てはまる物件と比べ、特定の人のニーズを満たす物件は少なくなっています。独身女性向けの間取り、高齢者向けのつくりなどにこだわると、特定の人にアピールしやすく借りる側もメリットを感じられます。
入居者が決まりやすい間取りは設備の充実度でも変わります。トイレとお風呂が別々に設置されている、畳よりフローリング、クローゼットやウォークインクローゼットなど収納力の高さなどです。1人暮らしの方に選ばれているのは、オートロッカーや宅配ロッカーのある物件です。
近年では不動産の価格は二極化しています。以前は景気の上昇により地価も一斉に上昇がみられていたのですが、現在は上がる物件もあれば下がる物件もあるといったような状況が出てきています。上昇する割合が高いのは都市部で、逆に下落する可能性が高いのが地方です。さらに同じ地域でも収益性の違いにより下落率は変化しています。例えばテナントが入らないビルは評価が低くなり、入居率が高いビルは高い評価になるなどです。物件がどのような推移となっているかは、J-REIT(不動産投資信託)が発表している情報を見るとわかります。J-REITが保有している不動産の上昇や下落ランキングを見ると、どのような物件で変化が見られるのかが理解しやすくなります。
これから資産価値が上がる物件を手にするためには、都市部と地方では物件の価値が違うことを知らなければなりません。都市部だと初期投資の額が高額になりやすいため、利回りが良さそうな地方から始める方も少なくありません。その場合でも今後の不動産価値がどのように変化するのか事前に調べ、手にしてからも適切な管理で資産を維持していく必要があるといえます。
定期的なメンテナンスで老朽化を防ぎ、家賃下落を抑える
建物の老朽化に関しては避けられませんが、定期的に点検・管理をすることで早急に建物の傷みを発見することができます。
小さな修繕をまだいいか、と見逃してしまうと他にも多数隠れている修繕箇所に気づかず気づいたころには大規模な修繕が必要になってしまうこともあります。そうなった物件は購入時よりも魅力が低下しており入居者募集にも苦労することは明らかです。
家賃を下げないと入居者がつかなくなる前に定期的にメンテナンスをして老朽化が進む前に小さな修繕をしておくことで、家賃の下落を食い止めることに繋がります。また建物の修繕に関しては新築から数年経過した時点で考えるべきですから、それまでに修繕費としての積み立てを行っていきましょう。いつかは大規模な修繕は必要となりますから、最低でも大掛かりな修繕費にかかる費用分のみでも備えることをおすすめします。特に給排水設備が壊れると入居できないリスクもあるため、老朽化しているならその費用だけでも準備が必要です。物件購入時に中古などの安い物件を選んでしまうと、その分老朽化が早く訪れて修繕規模も大きくなります。目先の安さだけにとらわれず、長期的に見て修繕の計画を立てましょう。
家賃が下落しにくい物件は「入居者が住みたいと魅力を感じる物件」です。
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まとめ
- 新築物件を購入しても経年劣化によりいずれ家賃は下落します
- 新築~10年までは1番下落率が高くなり11年を過ぎると家賃の下落率は低くなります
- 1度家賃を下げたら上げにくいので売却まで考えたとき、家賃値下げはなるべく避けたい
- 家賃が下落しにくい物件は利便性が良く、競合物件と差別しやすく、きちんと管理されている物件です
- 定期的なメンテナンスで老朽化を防ぎ、家賃下落を抑えましょう
- 家賃が下落しにくい物件は、「入居者が住みたいと感じる物件」です
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