一見お得な任意売却物件。失敗しないために絶対気を付けるべきポイント

築年数浅めで価格もリーズナブル、うまく探せば掘り出し物を見つけることもできる任意売却物件。しかし良いことばかりではありません。契約不適合責任が免責になるため購入後に欠陥やトラブルが見つかると買主の責任で補修しなくてはいけなくなります。そもそも運営に失敗して手放された物件なので、いくらコンディションが良いからといっても初めての物件として買うにはおすすめできません。不動産投資に慣れてから手を出すべきでしょう。今回は任意売却物件の説明と気を付けるべきポイントをご説明いたします。

任意売却物件と競売物件の違い

不動産運用に失敗し、ローンが払えなくなった場合、物件を売却し残債の返済に充てなくてはなりません。そのときに任意売却・競売のどちらかで物件を売却することとなります。競売は債権者が債務者の所有する不動産の売却を裁判所へ申し立てることで強制的に売却させることを指します。競売では室内の内覧がしにくく、入札期日が短く物件調査もままならない状態で入札するので買主からしても“買ってみないとわからない”リスキーなものとなり、売却費用は相場の70~80%と低くなりがちです。

また競売費用は延滞損害金として借入金に含まれることやインターネットで公告され近所に知られる可能性があるなどから債務者にとってメリットはなく、基本的に任意売却を選ぶ方がほとんどです。

任意売却について、売却後に残債を支払うことになる以外は通常の売却と同じです。競売に比べれば市場価格に近く売却できる(競売より高く売れる)こと、契約・明け渡しも売主として対等に希望を主張できる違いがあり、買主としては、広告を見て問い合わせるまで任意売却物件かどうかはわかりません。気に入った物件がたまたま任意売却物件だったということになります。

任意売却物件のメリット、デメリット

任意売却物件のメリットとしては市場価格より10~20%安くて手に入ることです。それ以外は通常の物件と変わらず、むしろデメリットが上回る場合も多いといえます。デメリットとしては契約不適合責任免責となるため雨漏りやシロアリなど隠れた欠陥が見つかったり、なんらかのトラブルが生じると買主の責任として補修工事をしなくてはならない場合があり、購入してしまえば全て買主の責任ということです。また、売主からしたら早く売りたいとは言っても売主と債権者の返済計画の都合もありますので、値引き交渉に応じてもらえることは難しいです。そして売買契約を細かく債務者に確認しながら進めていくため通常よりも時間がかかりやすいといえます。処分しきれない残置物によるトラブルもある場合が多く、相場より安いには理由があるのです。 物件の良しあしを見抜く目がなければ、前所有者の二の舞となりかねません。競売物件を不動産ローンで買うことも可能ですが一度失敗している物件である為、審査は通常より時間がかかり、より厳しく行われる可能性が高いことがデメリットにあるといえます。

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任意売却物件で気を付けるべきポイント

まず物件の管理状況を確認しましょう。そもそも運営に失敗した物件ですから管理費、修繕積立金に延滞があることが多いです。また、抵当権の有無も必ず確認しておきます。抵当権とは、金融機関が融資を行う際、ローンの支払いができなくなったときのため金融機関や保証会社が抵当権者となって不動産を担保に取る権利のことです。購入後に権利関係でトラブルになりやすいので抹消されているか確認します。金融機関が任意売却に納得している場合抵当権を抹消してくれるはずですので売主と金融機関でどこまで話が進んでいるか把握することが大事です。競売や差し押さえが取り下げられているかも要チェック事項です。競売停止をかけていない場合、せっかく取引が進んでいたのに競売に流れてしまうこととなり既に手付金を支払っていた場合トラブルの元です。

まとめ

任意売却物件の失敗しないために気を付けるべきポイントは…

  • 相場より20%程度安く手に入るが、安い理由がある
  • 売主と債権者の返済計画の都合上、通常より値引きがしにくいことがある
  • 瑕疵担保責任免責となるのであとでトラブルにならないよう物件を見る目が大切
  • 抵当権の有無もチェックすること
  • 取引きを進める前に競売や差し押さえが進行していないか確認すること

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